お金と同列扱いされちゃう
どんどん痩せ衰えていくのが分かり、何度も涙が出そうになった。どうにも出来ないもどかしさで、正直頭がおかしくなりそう。手元へ持つ、死亡届を握り締める。
突然担当が、俺に向かって話す。今後につき、あらかた決まりましたので、後でお見積り書をお持ちいたします。
あとは喪主のあいさつを考えて下さい、お通夜とお葬式の2回分になります。明日の火葬許可手続きをして参ります。そう言うと、部屋から去る。
嘘だろ。喪主挨拶なんか、考えたこともねーよ。何を言えば良いんだ、いきなり現実に引き戻された感じ。
姉は残った死亡届を見ると、しゃべり始める。これは生命保険の請求とかに使うよね。たしか幾つか掛けてはずよ。
どこの保険会社か分かる?ねえ、お父さんから聞いてるんじゃない?これまで、父親なんか知らん顔のくせに、最期はよく話したでしょ。ちゃんと教えなさいよ。